甦る140年前の名器の響き
高田泰治ピアノコンサート
2006年12月2日(土)於:セシリアホール お話とオーボエ:延原武春
これが1869年製のN.Y.スタインウェイです。本体はローズウッドでできており、譜面台には美しい竪琴の彫りがほどこされています。フルコンサートグランドで260cmあります。
高田泰治さんの、さらさらと流れるような音楽。ピアノの鳴る過程ひとつひとつに耳を傾けながらの思いやり。ピアノには、それぞれ個性があるのです。ちょっぴり哀愁を帯びたシューベルトの即興曲が印象的でした。
楽器について、わかりやすく、冗談を交えながら解説してくれた延原さん。この日は、なんと高田さんの楽譜めくり担当も。良い音楽には労力と遊びを惜しまない方です。
楽器を復元した、調律師の篠原洋一さん(右)。震災直後このピアノと出会い、ご自身も被災しながら何かに駆られるように引き取った(当時、何ヶ月も女房に口きいてもらえなくてねぇ)、今、やっとこのように披露できたとのこと。古いからといって博物館行きではなく、演奏してもらい当時の音楽を聴いてほしい、という願いが叶いました。
今の楽器と違って音が横に拡がるんです。低音は良く響いて今風やけど、高音に行くたびに音の性格がどんどん変わっていって面白い。意外とハイドンやモーツァルトにも向いているね。と延原さん。
最後に、サン・サーンス「オーボエソナタ」1、2楽章を、高田さん、延原さんの演奏で楽しみました。満員御礼の楽しい一日でした。
◆主催/コウベレックス 協力/日本テレマン協会、セシリア楽器、グローリアプランニング Photo:末岡志麻